売上創出へ チームビルディングの先で見据える2026 MBA卒業後編 Vol.6

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本連載記事「日本人MBA生のアメリカ奮闘記」は、アントレプレナーシップ(起業家教育)世界No.1のバブソン大学にて、MBAを取得した及川さんの「その後」を追い続けるドキュメンタリーとなっております。

バックナンバーはこちらをご覧ください!

第1弾:TOEIC250点!? 日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学1か月目
第2弾:「英語上手」ではなく「コミュニケーション上手」を目指せ! 日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学2か月目
第3弾:大ピンチ!学費が600万円も足りない⁉でもリスクがあるから面白い! 日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学3か月目
第4弾:想定内の人生なんてもったいない!環境を変える秘訣は「アウトプット」にある! 留学4か月目
第5弾:髪の伸びとビジネスの伸びは比例する?!1学期乗り越えた日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学5か月目
第6弾:波乱のコンサルティングプロジェクトと自らの起業に邁進!日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学6か月目
第8弾:ビジネスパートナーとの起業挑戦の軌跡に迫る!日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学7か月目
第9弾: 誘惑のない(?)ボストンで究める険しき起業の道!日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学8か月目
第10弾: 1年目修了総集編!日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学11か月目
第11弾: 一時帰国で過ごした鍛錬の夏休み!2年目へ突入した日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学13か月目
第12弾:「不安はない」臨戦態勢を整え臨むラストイヤー!日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学14か月目
第13弾:新たなチーム、マーケット、ビジネスアイデア…起業準備に進展あり?!日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学15か月目
第14弾 : ネガティブな感情と闘いながらの起業準備!!遂にMVP完成間近!? 日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学18か月目
第15弾 : 卒業間近で遂に今までの失敗と経験が形に!!海外経験の無い日本人がアメリカで選ばれる存在に。日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 21ヶ月(卒業)
第16弾 : 海外経験の無い日本人が、海外MBAで挑戦と挫折を経験。遂にアメリカ西海岸挑戦の大きな切符を手にいれる。日本人MBA生のアメリカ奮闘記 卒業後編 Vol.1
第17弾 : ToB事業を作りたい方必見。 海外経験のない日本人が、世界最高峰のToBアクセラレーターに採択、挑戦の日々を追う。 MBA卒業後編 Vol.2
第18弾 : 「海外MBAの伏線回収、しなくていいの?」熱狂渦巻くピッチをやり遂げた起業家が選ぶアメリカの戦い方 MBA卒業後編 Vol.3
第19弾:アルケミスト・サンフランシスコ編が始動 資金調達から新生活までのリアルMBA卒業後編 Vol.4
第20弾:サンフランシスコは”集中装置” Alchemistでの苦闘と学び MBA卒業後編 Vol.5

 恒例の及川さんインタビュー。

前回は2025年9月1日Alchemistでの150〜200件のカスタマーディスカバリーを経て、ようやくプロダクトのバリデーション段階に入ったタイミングでした。

今回のインタビューは2025年のクリスマス。約4ヶ月の間に、プロダクト開発、ビザ戦略、そして何よりチームビルディングへの意識が大きく変化しているとのこと。今日はその変化と成長について伺います。

売上創出へ チームビルディングの先で見据える2026 MBA卒業後編 Vol.6
2025年9月以降SFにて一緒に生活した日本人ファウンダーたち

9月1日以降、どのような進捗がありましたか?

少し振り返ると6月から8月末にかけて、初期インタビューを「カスタマーアドバイザリーボード(CAB)」と呼ばれるデザインパートナーに興味を持つ層に特化して150〜200件実施していました。CABメンバーとは3ヶ月間で計6回、月2回のミーティングを実施し、代わりに報酬として少額の株式やプロダクトの無料利用権を提供する形です。ターゲット層とする特定の業界、企業規模、そしてディレクター以上の調達担当者に絞り込んで、その働き方を学んでいく感じですね。こうしてその業界の外にいる自分たちだからこそ気がつける、AIを基盤としたソフトウェアを使うことで置き換え可能な業界の慣習や非効率なプロセスが見えてきました。

9月1日以降は、その仮説をどうやって市場へと届けるのか。どう表現するのがいいのか。そのアプローチを検証することに注力していた3ヶ月だったと思っています。アメリカの場合、LinkedInを基盤としたいわゆる顧客リストの生成が非常に簡単なシステムがたくさんあるので、これで仮説検証を本格化させました。特定の条件、例えば従業員5000人規模、特定の業界、ディレクター以上の調達担当者、Babson大学卒業生などで顧客リストを容易に生成できるんです。数分で約300人くらいのリストが作れます。そういった人たちに対して色々なメッセージを送ってみて、開封率やクリック率を分析し、コンセプトへの市場の反応を週次で検証しています。もちろんプロダクトの開発もやっていましたが、この辺りの仮説検証がメインの動きでした。結果としては、市場に提供すべきバリュープロポジションが3つに絞り込まれたと思っています。プロダクトのコンセプトイメージも完成し、一部機能はすでに動作する状態です。今は30人のアドバイザーのうち、5〜6人が実際のワークフローでの試用を希望してくれています。いよいよこう、手触りでアメリカのマーケットを探してきたところからようやく手をズボッと入れて、マーケットを触れるようになってきたっていう、その喜びがようやく最近生まれてきたかなと。ようやく第一歩を踏み出せた気がします。

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Glidelyにてセールスを雇おうと決心したSFでのセールスエンジニアリングのためのワールドカップ

こうした興味が得られるようになったのは、今までとは何が違ったんでしょうか?

言ったら三ヶ月間、二週間に一回顔付き、顔をつけ合わせて、話してる中で関係性が構築されたのが大きいと思います。彼らとしても、これだけ話をしてきたという仕方なく選択しているのか、カスタマイズされた価値を感じてくれているのか。このあたりはまだ見極めが必要です。

なので、大きな前進だと思っていますが、今後は、アドバイザー以外の見ず知らずの顧客からのPOC(概念実証)獲得をしていきたいですね。これが2026年の課題です。

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顧客とmtgしまくって自社のプロダクトコンセプトを練り直したmtg

以前話してくれたアクセラレータープログラムはどうなりましたか?

アクセラに関しては、プログラムの目的が、3ヶ月間のメンターシップを経て、最終的に投資家へのピッチで資金調達を行うことでした。ただ、実は私たちはプログラム開始前に資金調達を完了していたんです。そのため、本来のプログラム終了時のピッチではなく、来年5月に開催されるプレゼンテーションの機会に延期することになりました。プログラム自体は終了しましたが、資金調達の機会は来年5月に持ち越された形です。

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Chicagoへ顧客とのmtgのために出張した際の一枚

今後もサンフランシスコに残るということですか?

そのつもりです。ビザもちょうどおりたのもあって。

MBA卒業後のOPTは通常1年間なんですが、STEM(理系科目)を履修した学生にはOPTを2年間延長できる制度があり、それを使えば合計3年間滞在できるんです。ただし、STEM OPT延長の条件として、雇用主(エンプロイヤー)が必要で、自身が従業員(エンプロイー)であることが求められます。要はトレーニングを受けていることを証明する必要があるんです。でも、会社のファウンダー(自分)はエンプロイヤー側ですよね。

なので、自分を「トレーニング中のCEO」と位置づけ、社内に「CEOトレーニング委員会」という座組を組んだんです。委員会メンバーは、MBA時代の教授やLinkedIn経由の専門家を検討しましたが、最終的には信頼できるMBAの教授に依頼しました。

委員会の役割は、CEOのトレーニングを行い、CEOが会社に不適切であると判断した場合、取締役会に意見を提出する権限を持つというものです。ただし解雇権は持ちません。
結果として、株式を譲渡することなく、自分をトレーニング中のエンプロイー(従業員)としてSTEM OPTの延長に成功しました。ビザの有効期限は2027年夏まで、約1年半確保できました。
今後の拠点については、メイン市場が見えてくれば、製造業が盛んな中西部やテキサスへの移転も検討しています。

ちょうど資金もそこまで持ちそうなので、環境は整った思っています。

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Chicago出張②

心境や時間の配分で変わったこととかはありますか?

人数が増えたっていうのもあるんですけど、チームビルディングとコミュニケーションに時間を割くようになりました。きっかけとしては、またマンダラチャートを書いたんです。以前も書いた話をしましたが…

アクセラレーションプログラムのデモデーが延期になったことで、もう一度次の目標を整理しなおそうと思い、再作成したんです。そこで目標達成にはチームの力が不可欠であることを再認識しました。マンダラチャートでは、中心の目標達成に8つの要素を埋める必要があるのですが、8つ埋めるとなると、その中にチームビルディングが必ず一つは含まれる。そこを避けずには通れないと思い、時間をさくようにしています。チーム構成は私、共同創業者、セールス担当、エンジニアの4名です。セールス担当者に対しては、デイリーおよびウィークリーのチェック項目を形式化しました。ミーティング前には必ず議論点を事前に用意してもらうようにしています。共同創業者に対しては、もっと大きな変化があったと思っていて「ビジネスパートナー」から「ライフパートナー」へと認識を変えました。そのぐらいの覚悟が必要だと。

ビジネスパートナーは協業であり、お互いのメリットやビジネスが発生する関係です。一方、ライフパートナーは、お互いの間にビジネスを発生させず、共通の目標にのみフォーカスする関係なんです。この意識の変化によって、フラストレーションが減り、喜びを分かち合いやすくなり、コミュニケーションが円滑になりました。私自身が家族を持たないため、この意識転換が比較的容易だったという面もあります。

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ミシガンへの出張のさいに寄ったミシガン大学のアメフト観戦

アメリカという環境は、この変化に影響していますか?

日本に生活基盤がない感覚が2〜3年続いているため、直接的な影響は少ないと思います。ただ、「アンコンフォタブルな場所に身を置きたい」という自分の志向と、アメリカでの困難な目標設定が、マンダラチャートのような体系的なアプローチを必要とさせているのは確かです。日本であれば不要だったかもしれない苦しい挑戦が、アメリカにいるからこそ必要だと感じています。日本では得られなかった感覚だろうなとは思いますね。

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日本でのVC向けのピッチ

最後に2026年にむけての展望を教えてください

最優先目標はやはり売上の創出です。

2025年の焦点は、市場内でのポジショニング、市場選定、戦略的な成長、競争回避、顧客発見、プロダクト開発でした。でも2026年は違います。「学習のための顧客」から「有料顧客」との接触にシフトします。

キーエンスで学んだ営業手法や考え方も適用して行きたいと思っていますね。行動量を増やす、様々な地域へ出張して、対面での商談を重視しています。

実際、2ヶ月前の米国中西部(製造業が盛んな地域)への出張で、対面での顧客接触の重要性を再確認しました。やっぱり、対面は違いますね。オンラインでは伝わらない熱量や信頼感があります。

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Uber などの投資で成功したことで有名なJasonとの写真

私生活はどのように過ごされていますか?

私生活の目標?特にないですね(笑)。3月のWBC観戦を検討しているくらいです。

ただ、プライベートの時間も有効活用していて、テニスコミュニティの立ち上げや、週末に現地のファウンダーや投資家とサーフィンに行くなど、ビジネスのためのネットワーク構築に私生活を活用しています。

正直に言うと、ビジネス機会と挑戦のためにアメリカに滞在しており、快適さやライフスタイルを求めているわけではないんです。

サンフランシスコでの生活は「コンフォタブルな瞬間が1ミリもない」と感じています。ボストンと比較しても正直、快適ではないです。ビジネスや刺激は多いですが、生活の質だけを考えれば日本の方が良いと思います。
でも、私生活もビジネスに繋がるネットワーク構築が中心で、それが今の自分には合っていると思います。

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サンフランシスコで開かれたクリスマスパーティでの一枚

如何だったでしょうか。ご質問やご意見あれば、是非お問い合わせフォームをご活用ください!!

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  • Boston SEEDs運営

    Boston SEEDs は B-SEEDs LLC (Delaware, US) 運営のオンラインメディアです。”Entrepreneurship Mindset”のカルチャーを世の中に更に浸透させるべく主にボストン在住の現役の MBA 生がボランティアで活動運営しています。 Note

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