TOEIC250点!? 日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学1か月目

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いつもBoston SEEDsの記事を読んでいただき有難うございます!Boston SEEDsは、挑戦者の行動を後押しし、「私も一歩踏み出してみよう」を応援するべく、バブソン大学の現役MBA 生及び卒業生が運営しているメディアです。

 

私たち事務局が所属するバブソン大学は、29年連続でアントレプレナーシップ(起業家教育)の分野で世界No.1の座に輝いており、非常にユニークな学生が集まって日々新たなことに挑戦し続けています。今回は、そんな刺激的な環境でMBA生としてのキャリアをスタートさせた及川さんに密着し、バブソン大学でどのようなことに挑戦するのかや、そのプロセスで直面する課題・困難にどう立ち向かうのか、そこから得た学び等を追いたいと思います!

 

本記事「TOEIC250点日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記」は、シリーズものとして継続的に更新予定です。本シリーズが皆様の挑戦の後押しとの一助となれば幸いです。それでは、さっそく及川さんにインタビューしていきましょう!

 

TOEIC250点!? 日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学1か月目

まず初めに自己紹介をお願いします!

静岡県生まれ、東京育ちで、中学・高校は明大中野という明治大学の附属の学校に通い、そのまま明治大学にエスカレーター式で進学しました。

 

大学ではテニス部に所属し、全く勉強せずにテニスばかりしていたので、卒業時のGPAが1.4でした。GPAは最高が4で、1以下だと落第なので、大学もギリギリで卒業しました。

 

そんな感じで本当にちゃらんぽらんだったので、就職活動でも、ネームバリューで五大商社などを受けたのですが、もちろん全部落ちました。結局、キーエンスという会社に入りましたが、キーエンスは、志望理由も聞かれなければ、出身大学も聞かれない、何か作り込んで面接に臨むような瞬間がない、唯一の会社でした。たまたまそこが拾ってくれて、無事にキャリアをスタートさせることができました。

 

及川さんは、幼少期はどのような子供だったのですか?

すごく活発だったと思います。家の中でゲームをするよりも、外で缶蹴りをしたいタイプの子供で、中学3年生ぐらいまでは、常にグループの中心にいました。

 

しかし、中学校3年生のときに、クラスの中でいじめられる立場になり、コミュニティの外に逃げようと考えました。幸いにもクラスの外で自分を受け入れてくれるコミュニティに出会えたので、特別ふさぎ込んでしまうことはありませんでしたが、グループの中心にいる陽気なおちゃらけ者だったのが、いじめを経て、他人の気持ちや距離感を考えるようになりました

 

社会人になる前の困難やターニングポイントはありましたか?

ターニングポイントはいくつかありますが、そのうちの一つは、今言ったいじめだと思います。いじめられたから、違うクラスに友人を作るために、これまでいたコミュニティの外に出ました。そして、新しくできた友人と交流することで、自分の中で新たな価値観が形成されました。

 

また、中高大一貫だったのですが、中学校の時に所属していた野球部を辞めて、高校から新しくテニス部に所属しました。野球部でのコミュニティにプラスして、テニス部で新しい友人ができたことで、また新しい価値観を得られ、成長できました。

 

こんなふうに、自分が所属している既存のコミュニティの他に、新たな人脈や新しい経験をできそうな場所をどんどん見つけて移っていき、自分の価値観がアップデートされて成長していく、みたいことを楽しめるタイプの人間だと思います。

 

最初は自発的に行っていたことではなく、かなり外的な要因で環境が変わっていましたが、その度その度に、友人ができて、自分の中に新鮮な価値観が生まれることを楽しんでいたのだと思います。

 

バブソン大学MBAを受験するに至った経緯を教えてください!

2018年の夏休みに、初めて海外旅行でニューヨークに行ったことがきっかけです。当時の僕のTOEICのスコア250点ぐらいで、空港での会話もままならない状態だったので、ただ海外に行って帰ってきただけなのですが、自分の中で大きな成長を感じ、海外で生活してみたいと思うようになり、MBAへの進学を考え始めました。

 

当時のTOEICのスコアが250点だったことに加えて、大学のGPAが1.4だったので、ハーバードやスタンフォードなどのトップ校を狙えるような状況にありませんでした。正直言えば、MBAにいけるのであればどこでもいい、というスタンスでMBA受験を始めました。

 

バブソンを最終的に志望したのは、去年の12月頃だったと思います。自分の送りたい人生をあらためて考えたときに、「どんな社会にもインパクトを与える起業家を育てる」というバブソンのMBAプログラムがマッチしていると感じたので、入学を決めました。

 

TOEIC250点!? 日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学1か月目

 

実際の受験のプロセスで苦労したことを教えてください!

とにかく英語で苦労しました。特に私の場合は、TOEICが250点というところから始めたので、その苦労は大きかったです。半年間勉強してTOEICが680点になりましたが、そのときに受けたTOEFLは16点でした。一般的に、MBAに入学するためにはTOEFLのスコアが100点前後は必要と言われており、絶望的な状態から始めました。

 

そんな中で、まずMBA進学専門の塾で一番有名と言われているAGOSに入塾しました。ただ、その入塾も最初は断られました。多分初めて断られた人じゃないかと思います(笑)

 

MBA受験をする人たちの中ではMARCHというと決して高くない大学のレベルであったことに加えて、そこをGPA1.4で卒業していて、体育会でもなかったし、ボランティアのような活動もやってなかったような人が、TOEFL16点からでは受からないと言われました。

 

逆にそう言われると、挑戦したくなる気持ちが沸々と湧いてきて、中学生が受ける英語のクラスから、MBA受験プロセスの最後に当たる面接の練習まで、3年分のプロセスの授業料を全部払って入塾しました

 

通常はまずは英語のテスト対策のクラスを取り、次にGMATの試験対策のクラスを取り、その後エッセイの対策クラスを取って、最後にインタビュー対策をするような感じで、徐々にお金を振り込んでクラスを進めていきます。しかし、私は受験期になるであろう2022年までの受講料金を全部払うことを条件に入塾交渉を行い、約300万円を先払いで振り込んで入塾しました

 

決断した理由の一つは、入塾さえすればMBAに行けると思っていたこと。二つ目は、険しい道のりだからこそ、先払いにして逃げ道を断ちたかったのです。

 

三日坊主になりやすいタイプなのは自分でも知っていたので、逃げ道を断つことが大事でした。当時はやる気満々で、毎日20時間ぐらい勉強してやるぞという気持ちでいました。そんなことは実際にはできないのですが(笑)

 

最終的には入塾できて、2019年3月から2022年の3月までの3年間、AGOSに通いました。

 

3年間も塾に通って、途中で嫌になることはなかったのですか?

正直、嫌になることもありました一つは自分が転勤した時です。MBA受験を応援してくれていた上司やお客様と離れてしまって、また一から環境を作らないといけなくなり、仕事にかなりコミットしないといけない状況になってしまったからです。

 

同時にちょうどコロナが始まり、受験勉強どころではなくなってしまったことです。コロナと転勤が重なり、1年間全く勉強しませんでした。

 

そこからどう立て直したのですか?

二つありました。一つはキーエンスを退職して、1年間受験勉強に専念していました。一応、個人事業主という形で、知り合いの社長からお仕事をもらいながら、月々の収支がプラマイゼロになるぐらいの仕事量に抑えて、ずっと勉強していました。

 

二つ目は、去年のゴールデンウィーク明けに坊主にしました(笑)

 

今すごい髪が長いのですが、これは去年坊主になってから伸ばしっぱなしにしてる状態です。

 

TOEIC250点!? 日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学1か月目

坊主の頃の及川さん

会社を辞めた理由は何ですか?

退路を断つために会社を辞めました。経緯をお話しすると、2019年3月にTOEFL16点の英語力から勉強を始め、1年間かけて、75点までスコアを伸ばしました。(目標は100点)

 

そこまでは順調だったのですが、転勤とコロナの影響で丸1年勉強できず、TOEFLのスコアを伸ばすどころか、落としてしまったんです。

 

今年30歳になるのですが、「30歳の誕生日を海外MBA生として迎える」と周りの親しい友人や家族に話していたこともあり、勉強する時間を確保し、目的を達成するために会社を辞めました。加えて、キーエンスを退職することで、収入面も含めて、水準の高い就業環境を捨てることになるので、MBAに行かないと人生が終了するという暗示をかけて、「必ずMBAに行く、そのための勉強時間を確保する」と決めて、会社を辞めました

 

坊主にした理由は何ですか?

坊主にしたのは、IELTSをゼロから始めるタイミングでした。2021年3月にTOEFL72点で、そこから2ヶ月間勉強して、スコアが77点になりました。しかし、100点ないと、基本MBAに受からないと言われている中で、もう20点以上も上がる気が全くしませんでした。そこで、TOEFLの代わりにIELTSという試験に移行しました。IELTSをゼロから始めるタイミングで心機一転、坊主にしたのです。会社を辞めた手前、これ以上自分の中で断ち切れるものがなかったので、「髪を切ろう」という考えに至りました(笑)

 

実際髪切った後、心境の変化はありましたか?

どうですかね。(笑)毎日鏡を見て、受かるために髪の毛切ったんだなと思うくらいでした。ほかのことで言うと、合コンや飲み会に一切行かなくなりました。そういう意味では、副次的な効果はあったのだと思います。

 

バブソン大学MBAのクラスの印象を教えてください!

学年全員で160人くらいいます。人種は、半分がインド人で、それ以外は南米やアジア、アメリカ、欧州の人が集まっている感じです。純ジャパ(今まで海外で過ごしたことがない日本人)の私からしたらもうとんでもないグローバルな環境です

 

周りの学生は、想像以上に優しいです。英語が喋れない私に合わせてとてもゆっくり話してくれますし、わかりやすい英単語を使ってくれようとしますし、大事なことは何度も何度も繰り返し説明をしてくれますし、ここまで付いてこれているか確認も入れてくれます。その反面、試験勉強でやってきた英語とは全く違う感覚の英語も増えたので、ちょっと驚きもありました。

 

TOEIC250点!? 日本人MBA生のアメリカ留学奮闘記 留学1か月目

バブソン大学の同級生との記念撮影

 

海外に住む初めての経験だと思いますが、苦労されていることはありますか?

今のところ、大きな苦労はないです。もちろん英語のコミュニケーションがうまくできないなどの、細かい苦労はたくさんありますが、ホームシックなどのインパクトの大きい困りごとはまだ起きていません。ただ、今で言えば、円安やアメリカでのインフレの影響を受けたりしています。

 

コミュニケーションに関しては、基本的にはメッセージで確認します。それくらい生のコミュニケーションは取れてないと思います。基本的には何を言われてもイエスかノーです。生活面に関しても、ボストンは非常に生活しやすい印象です。気温は高いですが湿度が非常に低いです。特に、私がいる間は比較的晴れの日に恵まれていて、非常に生活しやすいです。東京に比べて非常に緑も多いので、非常にリラックスした環境で生活できているなと思いますね。

 

留学生活において直面している困難・チャレンジはありますか?

これから起こりうる困難の一つは英語力だと感じています。英語力をつけないと、せっかく非常に高い学費を払ってMBAに来ているのに、授業の中で得られるものが少なくなってしまいます。英語力のせいで費用対効果が薄くなってしまうことは避けなければいけないと考えています。

 

もう一つ大きなチャレンジは、2年目の学費が払えないことです。円安の影響で貯金が足りなくなりました。これに対しての解決策は全く今のところ持ち合わせていないのですが、とにかく一生懸命やった先にまた見えてくるものがあると思っていますし、バブソン大学自体も非常に有名校で、バックオフィスがしっかり整っている学校で聞いているので、学校のスタッフの方と相談し、知恵を借りながら資金調達をして、卒業できるように頑張りたいなと思っています。

 

他の観点では、今回ここに来るにあたってすごい大きな借金も抱えているので、また帰ってから社会人としてどこかの会社で雇用されるよりは、起業家になりたいと思っています

 

借金を返すために一旦働くという選択をしない理由はありますか?

借金を返すために働くモチベーションが湧くかに疑問を持っていることと、モチベーションのないものに時間を使いたくないと考えていることが理由です。

 

私は常に、自分のモチベーションを保ち続けられることを探しています。キーエンスで働いているときも非常に高い充実度の仕事をし、納得度の高い人生を送っていましたが、24時間ずっとそれに打ち込み続けられるほどの情熱は持っていませんでした。

 

残りの人生を仕事に没頭できるほどの高い情熱をもって生きていきたいと考えたときに、自分の人生と仕事を重ね合わせられるものは、起業家ではないかと今は考えています。だから、とにかく起業家になるために、自分の時間を使おうと決心してバブソン大学に来ました。

 

最後に記事を読んでいる人にアドバイスお願いします。

自分の興味のあることに向かって、本当に小さいことでもいいので行動に移してほしいと思います。私の場合でいけば、MBAにどうしたらいけるのだろうと思い、AGOSのホームページを検索したところから始まりました。

 

そして、無料の体験会に行ってみたことで、とても良いインストラクターの方に巡り会い、知恵を借り、新しい知見を得られました。行動に移すと環境が変わり、新しい人と出会い、知識や経験がアップデートされ、自分が想像できなかった世界にアクセスできるようになるので、本当に小さいことで良いので自分の興味に従って行動してもらいたいと思います

 

如何だったでしょうか。本シリーズはこれから随時更新予定ですので、次回の記事もお楽しみに!ご質問やご意見あれば、是非お問い合わせフォームをご活用ください!!記事が良かったらシェアをお願いします!



投稿者

  • Boston SEEDs運営

    Boston SEEDs は B-SEEDs LLC (Delaware, US) 運営のオンラインメディアです。”Entrepreneurship Mindset”のカルチャーを世の中に更に浸透させるべく主にボストン在住の現役の MBA 生がボランティアで活動運営しています。 Note

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