日本では伝統的に年功序列の文化が根づいており、アメリカなど欧米に比べると若手の活躍が難しい場合があります。そんな中でも、近年は日本でも多くの若手の活躍が目立つようになってきています。
今回は、ボストンのビジネスメディアが注目している、昨年2022年に活躍した若い起業家やビジネスリーダーたちをご紹介します。
スタートアップの中心地・ボストンのトレンドを抑えるとともに、学生や新卒年代の若者が、いかにイノベーションをけん引しているのか、チェックしておきましょう!それではさっそく一人ずつ見ていきましょう!
エラヘ・アフマディ(Elaheh Ahmadi)
25歳、Themis AI CEO兼共同創業者
アフマディは起業家であり、コンピュータエンジニア、ビジュアル・アーティスト、パフォーマンス・アーティストです。イランのテヘラン出身で、マサチューセッツ工科大学(MIT)で電気工学とコンピュータサイエンスの学士・修士号を取得した経歴があります。
2021年に学校を卒業後、ボストンに留まりThemis AIを共同設立しました。このスタートアップは、意思決定のパイプラインや製品にAIを活用する企業に、エンドツーエンドのプラットフォームを提供しています。
また、彼女はMIT在学中に多くの展示会やパフォーマンスにも参加しました。彼女の作品の多くは、現代の社会問題、特に交差型フェミニズム、性差別、人種差別、人権を含むトピックの認識を高めることを中心にしています。
マイケル・ブルックス(Michael Brooks)
25歳、デロイト コンサルタント
ブルックスはデロイトのボストンオフィスで、業界横断的なクリーンなインフラ普及に貢献しています。ブルックスは、オフィス以外でもボストンコミュニティとの関わりを持ち続け、デロイトからボストンコミュニティへのボランティアや寄付を集めてきました。過去数年にわたってブルックスが支援した組織は数十にのぼり、この活動の一環として、彼はUnited Way(ユナイテッドウェイ)の理事会のメンバー、世界経済フォーラムGlobal Shapers(グローバルシェイパー)のボストン支部でImpact Officer(インパクトオフィサー)を務めています。
レイチェル・ドム(Rachel Domb)
22歳、Rooted Livingの創設者
ボストン・ノースイースタン大学の学生である彼女は、スナック菓子のパッケージが大量のプラスチック廃棄物を出している、という問題について精力的に取り組んでいます。
彼女が大学1年生のときに、ボストンを拠点とする持続可能な食品ブランドRooted Livingを設立しました。Rooted Livingは、完全に堆肥化できる梱包材を使用し、グラノーラなどの食品には精製された油や砂糖ではなく、ナッツバターやメープルシロップなどの原材料を代用した、環境に優しい植物由来のスナックを製造しています。
ジョーダン・エルスター(Jordan Elster)
25歳、Innovation Studio (イノベーションスタジオ)アソシエイト・ディベロップメント・ディレクター
ジョーダン・エルスターは、ボストンとロードアイランドの非営利団体 Innovation Studio(イノベーションスタジオ)を通じて、多くのスタートアップを支援しています。ボストンシティと提携したReLAUNCH! Program(リローンチプログラム)、RI Commerce(ロードアイランドコマース)との提携によるRI Small Business Support Program(ロードアイランド・スモールビジネスサポートプログラム)などのプログラムの運営を通じて、何百人もの起業家の起業と成長を支援してきました。Innovation Studioに参加する前には、Innovate Newport(イノベーションニューポート)の開設に尽力し、開設から1年未満でコミュニティを約200人の会員に拡大し、175のプログラムやイベントを主催した経験を持ちます。
Innovation Studio以外では、非営利団体Boston Scores(ボストンスコアーズ)の祝賀委員会、FountainHead RI(ファウンテンヘッド・ロードアイランド)の諮問委員会の委員を務めています。また、ボストンの35歳以下のイノベーターが集まる月例会を創設し、マサチューセッツ州生命科学イノベーションデーの企画委員も務めています。彼はさらに、2023年の目標は自分のビジネスを立ち上げることだと発表しています。
イアン・グッドイン(Ian Goodine)、イーサン・ウォルコ(Ethan Walko)
ともに23歳、rStream(アールストリーム)の共同創業者
2人の技術者は、廃棄物収集を自動化する持続可能な新しい廃棄物管理システムを構築しています。彼らは、UMASS Amherst(マサチューセッツ大学アマースト校)で修士号を取得中に、rStream(アールストリーム)を共同設立しました。現在、スタジアムや大学の現場でゴミやリサイクル品、代替バイオマテリアルを分別できるAI駆動のシステム製作のため、研究と資金調達を行っています。このスタートアップはGreentown Labsのメンバーであり、国立科学財団の資金援助を受けています。
カルバン・グーリー(Calvin Gooley)
24歳、Cicada(シカダ)の創設者兼CEO
バーモント大学在学中、カルバン・グーリーは、医療技術、ライフサイエンス業界を対象としたイノベーション重視のマーケティング会社、Cicada(シカダ)(現在はボストンを拠点)を設立しました。彼は、この仕事を通じて、新技術や次世代製品への情熱と、プロジェクトマネジメントやマーケティング開発のスキルが結びついたと語っています。
グーリーはまた、非営利団体MedTech Collaborative(メドテック・コラボレーション)の運営委員も務めています。この団体の使命は、医療技術革新者間のコラボレーションを可能にし、初期段階のベンチャーを支援し、ニューイングランド全域の医療技術、およびデジタルヘルス革新のネットワークをつなぐことです。
エリン・キム(Erin Kim)
18歳、Scistainabilityの創設者兼CEO
エリン・キムはPhillips Academy(マサチューセッツ州の高校)の4年生ながら、すでに抗生物質耐性などの緊急テーマについてボランティア活動や研究を行い、自身の非営利団体やスマートフォンアプリを設立しています。彼女が設立した非営利団体「Scistainability(サイステナビリティ)」は、合計21カ国で持続可能性についての意識を高めることを目的として活動しており、アプリ「GreenGuide(グリーンガイド)」は、環境への悪影響が少ない商品を購入したいユーザーに対して、地元の店舗をおすすめするものです。このアプリで、彼女は2021年のCongressional App Challenge(ゴングレッショナル・アップ・チャレンジ)で優勝しました。
イレーナ・キング(Irena King)
24歳、Surgicure Technologies Inc.(サージキュアテクノロジーズ)の創設者兼CEO
イレーナは、医療器具を開発するベンチャーのSurgicure Technologies Inc.(サージキュアテクノロジーズ)を設立しました。同社が開発する医療器具は、火傷、心的外傷、またICUの患者らが、手術中に顔や口腔に傷を負わずに呼吸チューブを固定できるよう設計された、独自のものです。
彼女はCEOであると同時に、ハーバード大学医学部とMITの合同健康科学技術プログラムにおいて、脳と認知科学を中心とした医学工学と医学物理学の博士号取得にも取り組んでいます。また、全米科学財団の大学院研究員としての顔も持つ、ロシア系アメリカ人一世です。
ナレン・コーリー(Naren Kolli)
22歳、ノースイースタン大学アントレプレナーズクラブ ディレクター
ノースイースタン大学4年生のナレンは、学部生として工学とアントレプレナーシップに専念する一方、同級生の間で社会貢献の推進にも取り組んでいます。
彼は、ノースイースタン大学アントレプレナーズクラブのディレクターとして、ボストンの学生における、イノベーションエコシステムに強いコミュニティ意識を生み出す取り組みをしています。昨春には、ノースイースタン大学、ボストンカレッジ、ボストン大学、ハーバード大学、MIT、バブソンカレッジ、ウェルズリーカレッジの学生300人以上が参加するネットワーク「Boston Innovation Hub」を発足させました。また、昨年2月にはボストン初の大学対抗起業家会議を共同設立・運営。昨年秋には、学生のドリンクに関わるアイデアを実現する「Dunkin’ Pitch-A Drink」コンペティションを開始しました。学生団体と企業とのベンチャー提携は、ノースイースタン大学では初めてのケースだということです。
ジョナサン・レイ(Jonathan Lei)
17歳、TensorDock(テンサードック)創業者
中学1年生のとき、ジョナサンは eBay でサーバーを 6 ドルで購入し、自分の Web サイトを開設しました。 その後数年で、彼は友人向けのウェブサイトを開設するようになり、そして高校3年生で彼はそれをビジネスに変えました。
彼の創業したスタートアップである TensorDock(テンサードック)は、ボストンからシンガポールまでの 11 のデータセンターで独自のサーバーを開設し、資金提供を受けたスタートアップや大学の研究者などの顧客に、サービスを販売しています。TensorDock クラウド上に構築した、独立したホストのサーバースポットとして市場を立ち上げ、価格、アップタイム、インターネット接続を互いに競い合い、顧客が最適なオプションを選択できるようになっています。このスタートアップは、マサチューセッツ州の高校生も雇用しており、昨夏は6 人のアルバイトとともに、約 12 人がフルタイムで働いたということです。
メリッサ・リー(Melissa Li)
19歳、Dorm Room Fund(ドームルームファンド)のマネージングパートナー
メリッサ・リーは、資金調達をしたいと思っている若い起業家に発言力を与えるべく、活動しています。現在彼女は、ハーバード大学を休学し、ベンチャーキャピタルDorm Room Fund(ドームルームファンド)のマネージングパートナーを務めています。彼女は、新卒人材を採用ニーズのあるベンチャー企業に紹介するネットワーク構築、創業者とのチェックインを増やすための社内プロセスの見直し、創業者とZ世代オーディエンスとの製品インサイトをつなぐアーリーアダプタークラブの構築などを行っています。
さらに彼女は、ベンチャーキャピタリストの道に興味を持つ学生に、キャリアの選択肢を増やすことも目指しています。Under 25にノミネートされた当時、彼女はDorm Room Fundの最年少パートナーでした。より多くのZ世代の声をファンドに取り込むため、今も行動し続けています。
アーニャ・ロシック(Anya Losik)
24歳、Forge(フォージ) リーダースタッフ
Forge(フォージ)の新しいリーダースタッフであるアーニャは、非営利団体の戦略的計画やプロセス改善などの分野で、組織的なリーダーシップを発揮する若手人材です。Forge(フォージ)ではスタートアップのプロトタイプからスケールアップまでを支援しています。彼女は、ボストン・ノースイースタン大学を卒業したのち、Indigo Agriculture(インディゴ・アグリカルチャー)に勤務し、Massachusetts Clean Energy Center(マサチューセッツ・クリーンエナジーセンター)のフェローを務めていました。Forge(フォージ)でリーダースタッフに就く以前から、Forgeがこれまでに支援した550社のうち、300社以上と個人的に仕事をしてきましたといいます。
アレックス・マーリー(Alex Marley)
23歳、Dorm Room Fund(ドームルームファンド)マネージングパートナー 兼 Cometeer(コメティア)コントロールエンジニア
ノースイースタン大学在学中、アレックスは「否定」されたときの対処法を身をもって学んできました。ベンチャーキャピタルのインターンシップやフェローシッププログラムに応募しては断られる。しかし、この経験は、彼のモチベーションを高めるだけだったといいます。
2020年の夏、彼はスタートアップ、ベンチャーキャピタル、アントレプレナーシップについてできるだけ多く学ぶことを目標に掲げ、MITが設立したベンチャーファームThe Engine(ジ・エンジン)の防衛技術関連のスタートアップで、電気技師として働き始めました。そこで、アーリーステージのスタートアップの運営方法に触れ、The Huntington Angels Network(ハンティントン・エンジェル・ネットワーク)、Generate(ジェネレイト)、TAMID(タミッド)などのクラブに参加して、ニュースレターの創刊などに携わりました。1年後、アレックスはDorm Room Fund(ドームルームファンド)にインベストメントパートナーとして参加。現在は、コーヒーの精密抽出と冷凍保存に特化したスタートアップ、Cometeer(コメティア)でエンジニアとしてフルタイムで働いており、Dorm Room Fund(ドームルームファンド)のボストンオフィスで、マネージングパートナーとしても勤務しています。
今回はボストンで注目のリーダーUnder25 13名をご紹介しました。後編もお楽しみに!
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引用:BOSTINNO「Meet BostInno’s 25 under 25 for 2022」
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