スタートアップの成長のためには、スタートアップを支援するための環境整備が有効であり、CIC Tokyoやベンチャーカフェ東京におけるイベントなど、日本各地でスタートアップ・エコシステムの構築に向けた取組が進められています。この記事を読んでくださっている皆様の中にも、ピッチコンテストやネットワーキングイベントに参加したことや、実際に企画に携わったことのある方もいらっしゃると思います。ただし、こうした取組は日本ではまだ盛んではなく、興味はあるものの、どのような取組が効果的なのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、アメリカ・ボストンで5月に開催された、スタートアップ支援のためのイベントを紹介します!
ボストンは世界有数のスタートアップ・エコシステムを構築しているため、そのような地域で誰がどのようなイベントを企画・実施しているかを知ることで、日本における取組のヒントを得られるのではないでしょうか。ボストンは、上述のCICやベンチャーカフェの取組が最初に始まった地域でもあります。ボストンのイベント情報は継続的にアップデートする予定ですので、各イベントの内容のみならず、そのトレンドも参考にしていただければと思います。
※4月のイベント情報もご紹介しています。こちらも是非ご参照ください!
知の結集によるイノベーションの創出とネットワーキング!
まず注目すべきは、Bio-IT World Conference & Expo(バイオITワールド・カンファレンス&エキスポ)というイベントが開催され、世界各国からバイオ分野の専門家が集まって情報をアップデートする機会が設けられました。ボストンはバイオ分野の研究開発が進んでいますが、こうした機会を通じて、研究開発を更に促進するとともに、ネットワーキングや企業の認知度を上げる場としての役割も果たしています。
また、今月は、ボストンに居を構える世界トップクラスの大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)が精力的にイベントを企画・実施しました。起業家やビジネスリーダー、業界の幹部がMITに集い、プレゼンテーションやディスカッションを通じてアカデミアとビジネスの知識が融合することで、新たなアイディアが生まれます。また、こうしたイベントは、起業家・スタートアップにとって重要なネットワーキングの場となります。
さらに、ボストンのビジネス系新聞社であるボストンビジネスジャーナルも、地元企業を支援するためのイベントを開催するなど、様々なステークホルダーが地域経済の活性化に努めていることが分かります。
以下ではそれぞれのイベントについて詳しく紹介していきます。
Bio-IT World Conference & Expo(バイオITワールド・カンファレンス&エキスポ)
今回で21回目の開催となるこのカンファレンスには、バイオやヘルスケア、ライフサイエンス等の分野の専門家が世界中から集まり、150を超えるプレゼンテーションや双方向のディスカッション、刺激的な基調講演などが行われました。3日間のイベントの中で、参加者は、「今後、どのような分野・技術に時間・資金を投資するのが良いか」や、「精密医療の進歩のためのデータや情報処理に関する最新のトピックとは?」など、最新の動向や将来の予測について議論を交わしました。
引用:Bio-IT World Conference & ExpoのHP
MIT Startup Ecosystem Conference (スタートアップ・エコシステム・カンファレンス)
MITが主催したこのカンファレンスでは、MITのコミュニティが主導しているプロジェクトや研究開発、テクノロジー等が紹介されました。イベントを通して、起業家やビジネスリーダーが一堂に会し、戦略、パートナーシップ、ダイバーシティ、コミュニティなどのトピックについて話し合いました。また、このイベントでは、MITのキャンパス内で誕生した最も有望なスタートアップ企業も紹介されました。
MIT Efficient AI and Computing Technologies Conference(効率的なAIとコンピューティング技術カンファレンス)
このカンファレンスもMITが主催しており、効率的で説明可能なAIの実現のためのコンピューティング技術について、最新の動向や具体的な効果、他の技術分野での応用例などが紹介されました。本イベントでは、MITの教員や同大学が支援している起業家、業界の幹部がプレゼンテーションや展示、パネルディスカッションを行いました。
Boston New Technology Healthcare/Robotics Summit(ボストン・ニューテクノロジー・ヘルスケア/ロボティクス・サミット)
本イベントは、商業用ロボットやその制御システムに関する製品およびサービスの設計、開発、製造、提供における問題に取り組むためのフォーラムです。業界幹部や起業家が基調講演や一般セッションを行い、次世代の商業用ロボットシステムの開発を成功させるために必要な情報を共有しました。
引用:ROBOTICS SUMMIT & EXPOのHP
Conversational AI — Current Applications & Future Predictions(対話型AI—現在の活用状況と将来の予測)
音声アシスタントやチャットボット等に用いられる対会話型AIは、リモートワークの増加や消費者の期待の高まりに伴い、デジタル化を進める多くの組織から注目を集めています。本イベントでは、専門家がパネルディスカッションを行い、対話型AIの現在のアプリケーションと将来の予測について共有しました。
BBJ’s Fast 50 Awards Reception(BBJ’s Fast50アワード・レセプション)
ボストンの新聞社ボストンビジネスジャーナルが主催するこのイベントでは、ボストンで最も急成長し、地域経済の成長に真に貢献している民間企業を表彰します。また、急成長している企業の特徴や成功事例を紹介し、ネットワーキングの場とします。
MIT Sloan CIO Symposium(MITスローンCIOシンポジウム)
MITが主催する本イベントは、「デジタル・エコシステムが未来のビジネスを再形成する」をテーマに、リアルとオンラインのハイブリッドでの開催を予定しており、世界中のCIOが学び、ネットワークを構築することができます。このシンポジウムは、MITの学術的な思考と、世界で活躍するCIOや業界の専門家の現場での経験が融合する、ユニークな学習環境となります。
引用:MITスローンCIOシンポジウムのHP
BBJ’s Future of Nonprofits(NPOの未来)
ボストンビジネスジャーナルが主催する本プログラムでは、有識者による講演を通じて、NPOが軌道に乗るために日々抱えている課題について探ります。例えば、持続可能性、寄付者の維持と取り込み、適切なボランティアの発掘、内部および外部プロセスの整理といった問題は、NPOの継続的な成功に不可欠です。
今回はボストンにおける5月のイベントをご紹介しました。如何だったでしょうか?本サイトではボストンで話題のニュースをご紹介しています。ご質問やご意見あれば、是非お問い合わせフォームをご活用ください!!記事が良かったらシェアをお願いします!
引用:
投稿者
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Boston SEEDs は B-SEEDs LLC (Delaware, US) 運営のオンラインメディアです。”Entrepreneurship Mindset”のカルチャーを世の中に更に浸透させるべく主にボストン在住の現役の MBA 生がボランティアで活動運営しています。 Note