いつもBoston SEEDsの記事を読んで頂き有難うございます。事務局メンバーのRyoです。Boston SEEDsは「挑戦を躊躇っている人に一歩前へ進んでもらうための」メディアです。そのため、挑戦を具体化するためのアイディア/挑戦の背中を押すマインドセット/挑戦している人の声を届けるエンパシーに焦点をおいた記事を展開しています。
今回お届けする「おじさんチャレンジ」とは、Boston SEEDsの事務局である私たちおじさんJr.(アラサー〜アラフォー)が、脂の乗り始めたボディにムチ打ちながら挑戦を続ける企画です。年を経るにつれて、新しいことへのチャレンジを無意識に避けてしまいがちですが、人生100年時代、思い立った時が絶好のタイミングだ!と、まだまだもがきたいと思います!
そんな「おじさんチャレンジ」の第二回のテーマは、「アメリカで知らない人に声かけてみた」です。字面から伝わる怪しさと、下手をすると法を犯していそうな雰囲気が(苦笑)。少し丸めて言うと、今回取り組んだチャレンジは「街頭インタビュー in US」です!
(参考)おじさんチャレンジの第一回の記事はこちらをご覧ください!
なぜ私がこのチャレンジに取り組みたいと思ったのか、少し私のバックグラウンドの説明をさせてください。
人見知りには起業できない?
私は、社会人になってからアメリカに留学するまでの10数年間のほとんどをエンジニアや研究開発職として過ごしたため、システムとは毎日向き合うものの、お客様との交流は新入社員研修時代の2ヶ月程しかないという環境にいました。
近しい関係の方とはストレスなく会話出来ますが、社外の方や特にお客様といった初対面かつ自分を良く見せないといけない(と思っている)方々を相手にすると、身体が硬直するほど緊張することが多々ありました。
そんな私が、起業家教育で世界No.1のバブソン大学に留学し、猫も杓子も起業を目指すこの環境に刺激を受ける中で、自分も起業して社会に価値を直接届ける存在になりたい!という思いに至りました。
私たちスタートアップはまだアイデアを詰めている段階で、このフェーズで特に重要なことは顧客の潜在的ニーズを発掘することです。教授陣やアドバイザー達からも日々口を酸っぱく言われているのは、まずは潜在顧客のアポを取りヒアリングを繰り返せ、です。しかも、知人ではなく赤の他人(ストレンジャーズ)の!
こうしたヒアリングは、私にとって非常にストレスのかかる活動ですが、ファウンダーの一人として避けては通れない道です。
このような背景から、私のスキルセットに反して、様々な方と繋がりご意見を頂くことが出来る“ソーシャルお化け”に自分自身をトランスフォームする必要が出てきました。
いざ出陣!とはいかなかった。。。
今回のチャレンジを「街頭インタビュー in US」に決めてから憂鬱な日々が続きました。
いきなり話しかけて無視されないだろうか?なんなら怒られて危険な目に遭わないか?警察に通報されたらどうしよう。。。 様々な不安が脳内を巡り、行動に移せない日々が続きました。事務局のミーティングでは、まだやってないのか、という視線がテレビ会議の画面から伝わり、行動出来ない自分と周りからのプレッシャーに挟まれる。
この期間にやったことは、家族・友人への相談や、「インタビュー コツ」といったワードで検索したYouTubeを視聴し、理論武装をして心理的ハードルを下げようとしましたが、一向に局面は解消されず。
時間だけが過ぎ、プレッシャーが増え続けるという負のスパイラルに突入していました。
心の中で自分をイケメンに置き換えて想像していたイメージ
ブレイクスルーを起こすための秘訣
そんな私にブレイクスルーが!と言いつつ、奇想天外なアイデアが降ってきたわけではなく、地道な行動で解決することにしました。私が起こしたアクションは次の3つです。
1、実施する日付を決める。
非常に簡単なソリューションですが、実施する日を先に決めました。上述したように、事前のプランニング、シミュレーションで立ち往生する性格ですので、譲れない締切を設定しました。
2、 周りに宣言する。
日付を決めただけだとまた周りに流されそうになるので、他の事務局メンバーにインタビューの実施日を宣言しました。
3、一部の条件をコンフォートに。
私にとって、“知らない方に声をかける”という漠然とした挑戦が余計に不安を駆り立てていたので、一部の条件を不安が解消されるものに変更しました。それはずばり、「“マサチューセッツ工科大学(MIT)のキャンパスで“見知らぬ人に声をかける」です。なぜMITか?MITの方はオープンな考えの持ち主で、私のようなストレンジャーを温かく受け入れてくれるという思い込みです!これは根拠のない思い込みでしたが、私の心理的負荷を下げるのに十分な働きをしてくれました。
今度こそ、いざ出陣!
と言いつつ、当日の足取りは重く、いつもの駅の通路も5倍ほど暗く感じました。。。
コンコースも普段より遠く感じ、、
そしてついに到着!
そうそう、このMITのシンボルが人々の心をオープンにしている(はずだ)と思いながら、本日の戦場であるMITのシンボル“グレートドーム”へ!
この日のドームはいつもより荘厳に感じ、また人もまばらで緊張感を煽ってきました。
が、周りに宣言した手前もう逃げられない!
最低1人にインタビューするまで帰らない!まさに背水の陣で一人目に声がけをしました。
私「私のプロジェクトに関して2-3分のインタビューをしたいんだけど時間をもらえないかな?」
一人目「ちょっと急いでるんだ」
私「そ、そうなの。ごめんね!」
一人目終了。
既にヒビの入っていたハートに穴が開いたような心地がしながら、気を取り直し二人目へ!
私「すみません、少し時間をもらえないかな?」
二人目(目を一度合わせたあとそのまま去る)
そして三人目。
私「こんにちは、少しおじか・」
三人目「ごめんね」
(そして走り去る)
おーーーーー ここは微笑みの国アメリカ(それはタイ)じゃないのか!完全にHPが赤色ゲージでふらふらになりながら次の人を探していると爽やかな青年が。どうせまた断られるんだろ、と、
私「ハーイ、少し時間いいかな?私のプロジェクトに関するインタビューをしたいんだけど」
青年「んー」
負け癖全開の私「(はい、また断られる。他の事務局メンバーに言ってチャレンジトピックを変えてもらおうかな)」
青年「いいよ!どんな話だい?」
きました!心の中でガッツポーズをしながら、インタビューを進め、当初用意していた質問以外にも彼から貴重な話を聞くことが出来ました!
ここまで心が折れながら乗り切った自分への祝福と、何より、忙しい中、インタビューに時間を割いてくれた青年への感謝で溢れました。
挑戦時の心理的構造は化学反応!?
今回のチャレンジにおいて私の心理的変化は高校の化学の授業で出てきた化学反応に近いものを感じました。
緊張から解放された反動で頭がおかしくなったんじゃないか!?と感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが少しお待ちください。
挑戦をする前は、自分の前に立ちはだかる“挑戦の壁”が高く、今自分がいるコンフォートゾーンを抜けるために多くのエネルギーを必要とします。そして、挑戦後の心理的エネルギーは今よりも低い状態、つまりは今より穏やかな状態であるにも関わらず、壁の向こうが見えないので、挑戦を乗り越えた先の今よりも安定した状態がイメージ出来ず、挑戦をするための踏ん切りがつかない、という状態でした。
ではどのように挑戦を推進するか。
答えは化学反応と同じではないかと。
化学反応において、この壁である活性化エネルギーを超えるには2つの方法があります。
※化学の素人の語りですので不正確な部分ご容赦ください
- 外から熱などのエネルギーを加える
- 触媒により壁(活性化エネルギー)を低くする
今回の私の挑戦においては、
- 外からのエネルギー :日付を先に決めて周りに宣言する
- 壁を低くする :MITという自分にとっては心理負荷の少ない環境を選ぶ
でした。
おそらく、世の中の挑戦し続けるアントレプレナーたちは言わずもがなこれに近い感覚で行動しているとは思いますが、私のように理論武装してから行動するようなタイプの人間は、この思考のおかげで挑戦全般への心理的ハードルが非常に下がりました。
今回のチャレンジの後にも、人前でピッチをしたり、初対面の方とのネットワーキングに参加するなど、挑戦した後の安定を自分のモチベーションに活動出来るようになりました!
人脈の拡大と深掘り!
今回の挑戦を通して、話しかける側の立場として私のチャレンジをご覧頂きました。一方で、話しかけられる側にも同じような心理的な壁が存在するのではないでしょうか。私はアントレプレナーの卵として、お客様の気持ちを多く、そして深く理解するために、お客様側の心理的ハードルを下げていく挑戦も併せて進めたいと思います。内向的だった私が今後どれだけの“ソーシャルお化け”になれるか。私のチャレンジから、これならやれそう、やってみよう、と思って頂ける方が少しでもいたら幸いです!
如何だったでしょうか。今後も事務局として様々なことに挑戦していきますので、お楽しみに!ご質問やご意見あれば、是非お問い合わせフォームをご活用ください!!記事が良かったらシェアをお願いします!
執筆者: Ryo
大阪育ち、ボストンとの出会いは大学院留学。通信会社の研究開発部門を経て現在は大学院にて経営学を学ぶ傍ら、高齢者向けビジネスのベンチャー立ち上げに奮闘中。起業家教育の本質を世の中に伝えるため、Boston SEEDsにボランティアで参加。
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Boston SEEDs は B-SEEDs LLC (Delaware, US) 運営のオンラインメディアです。”Entrepreneurship Mindset”のカルチャーを世の中に更に浸透させるべく主にボストン在住の現役の MBA 生がボランティアで活動運営しています。 Note