失敗よりも挑戦しないことが最大の恐怖!? - 失敗する恐怖を克服するためのマインドセットとは

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挑戦に失敗はつきものです。このことを考えると、何か新しいことに挑戦したいと思っても、最初の一歩を踏み出すハードルは、おのずと高くなってしまいます。

 

どうすれば思い切って最初の一歩を踏み出し、挑戦することができるのか。

 

仕事においても、人生においても、一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。そこで今回は、アメリカの作家、アダム・グラント氏による「挑戦者が最初の一歩を踏み出すときのマインドセット」をご紹介します!

 

起業の側面から見た日本人の挑戦への態度

起業家の決断は、個人的なセルフイメージやその人の自信に影響されるといいます。つまり、起業家はみな、「自分に起業するためのスキルや知識があると思うかどうか」、「失敗を恐れて起業を躊躇していないかどうか」などを考慮して、起業するかどうかを判断しているのです。

 

当然のことながら、起業を目指している人の数に比べて、実際に起業している人はとても少ないです。これは、挑戦への興味や意思はあっても、失敗する恐怖から決断できない人が多いことを意味しているのです。

 

Global Entrepreneurship Monitor(GEM)の調査結果によると、日本は先進国 47 カ国の中で、最も起業意向率が低いことがわかりました。

 

また、「自分には起業するに値する知識、スキル、経験があると思う」と答えた人数(以下グラフ、日本は右から19番目)も最下位になりました。

 

失敗よりも挑戦しないことが最大の恐怖!? - 失敗する恐怖を克服するためのマインドセットとは

引用:Babson College「Global Entrepreneurship Monitor 2021/2022 Global Report Opportunity Amid Disruption

 

「起業するチャンスはあるが、失敗する恐怖から起業はしない」と答えた人数(以下グラフ、日本は右から6番目)は韓国やアメリカなどに比べて非常に多く、50%近くに上りました。

 

失敗よりも挑戦しないことが最大の恐怖!? - 失敗する恐怖を克服するためのマインドセットとは

引用:Babson College「Global Entrepreneurship Monitor 2021/2022 Global Report Opportunity Amid Disruption

 

自分の能力に対する自信の無さや、失敗することへの恐怖から、特に私たち日本人は挑戦することに消極的であると言わざるを得ません。

 

 

成功している起業家たちの失敗に対するマインドセットとは

しかしながら、起業し成功することが、難しいことであるのもまた事実です。誰しも、「失敗したらどうしよう…」という恐れはあるはずです。アメリカ・ペンシルバニア大学ウォートンスクールの教授であり、作家のアダム・グラント氏も、多くの独創的な起業家たちに取材をし、創業当時の話を聞いた経験から以下のように述べています。

 

「起業家たちは皆、私たちと同じように失敗を恐れていたのです。ただ、失敗に対する考え方が違うだけだったのです。」

 

私たちと同じように失敗を恐れながらも挑戦を続け、成功をつかむ起業家の「失敗に対する考え方」とは、どのようなものなのでしょうか。

 

アダム・グラント氏の調査で明らかになったのは、「偉大な起業家たちは、失敗を恐れる以上に『挑戦しないこと』を恐れている」ということでした。

 

仕事でも人生でも、失敗には「行動した失敗」と「行動しなかった失敗」の2種類があります。起業してうまくいかないのは「行動した失敗」、起業しないのは「行動しなかった失敗」です。多くの人は、後悔するのは「行動した失敗」のほうだと考えています。破産を宣言したり、最愛の人にフラれたりする苦悩を想像して、ぞっとするのです。しかし、それは大きな間違いです。

 

人は自分の最大の後悔を振り返るとき、行動したことではなく、行動しなかったことをやり直したいと願うのです。心理学者のトム・ジロビッチ氏とビッキー・メドベック氏も、「長い目で見ると、どの年代のどのような職業の人でも、やったことを後悔するより、やらなかったことをずっと後悔するようだ」と述べています。

 

成功する起業家たちは、「失敗を恐れているのではなく、重要なことに失敗することを恐れている」と言います。つまり、失敗を「自分のアイデアがダメになった」ということではなく、「成功するために必要なステップだ」と考えます。失敗は、知識の不足や戦略の誤りを示すものであり、初心に帰って正しいことをしようという気にさせるものです。失敗がなければ、自己満足に陥ってしまいます。

 

実際に、スペースシャトルは打ち上げに失敗した方が、最終的に軌道に乗れる可能性が高いことが分かっています。NASAでは、24回の宇宙飛行に成功した後、それが過信につながってチャレンジャー号の事故を発生させました。

 

技術の進化や嗜好の変化を予測することは不可能で、その点、独創的なアイデアに失敗はつきものです。全米で最も有名な投資家・実業家の一人であるマーク・キューバン氏は、のちに大成功するUber社への投資を見送ったし、検索エンジンGoogleは当初、200万ドル以下の価格を提示しても売れませんでした。ハリー・ポッターは、子供向けの本としては長すぎるという理由で出版社に断られ、『となりのサインフェルド』(Seinfeld)は、今でこそアメリカ人の4人に1人が見たという国民的コメディドラマですが、筋書きが不完全で、登場人物に好感が持てないという理由で、重役たちに見放された作品だったのです。

 

歴史上の偉大な人物を見ても、彼らは最も多くの失敗をした人たちであり、それは彼らが最も多くの挑戦をした人たちであったからです。トーマス・エジソン氏の1093件の特許のほとんどは失敗に終わり、ピカソ氏は数点の傑作を作るために2万点以上の作品を作らなければなりませんでした。起業家にも同じような傾向が見られ、Uber社の前に起業したトラヴィス氏の最初のスタートアップは破産しましたし、スティーブ・ジョブズ氏は、アップル社の製品「Lisa」で失敗し、会社を追われたことがあります。そして、リチャード・ブランソン氏は、航空、鉄道、音楽、モバイルの分野で成功した一方で、ヴァージン・コーラ、自動車、ウェディングドレスの大失敗を指揮した人物です。

 

私たちは彼らエリート失敗者集団から、最初は成功しなくても、高い目標を持ち続け、挑戦し続けることの重要性を学ぶべきだと思います。

 

 

今回は、挑戦を続ける人の失敗に対する考え方についてご紹介しました。如何だったでしょうか?ご質問やご意見あれば、是非お問い合わせフォームをご活用ください!!記事が良かったらシェアをお願いします!

 

 

引用:

Adam Grant「To Overcome the Fear of Failure, Fear This Instead

 

参考:

Babson College「Global Entrepreneurship Monitor 2021/2022 Global Report Opportunity Amid Disruption

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  • Boston SEEDs運営

    Boston SEEDs は B-SEEDs LLC (Delaware, US) 運営のオンラインメディアです。”Entrepreneurship Mindset”のカルチャーを世の中に更に浸透させるべく主にボストン在住の現役の MBA 生がボランティアで活動運営しています。 Note

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