先日行われた経団連の座談会において、「スタートアップは社会課題の解決やイノベーションを生む仕組みとして最も優れたスキームの1つ」と表現されるなど、日本経済を牽引する存在としてスタートアップはますます存在感を増しています。CIC Tokyoやベンチャーカフェ東京のみならず、福岡市など日本各地でスタートアップ・エコシステムの構築に向けた取組が進められています。
この記事を読んでくださっている皆様の中にも、ピッチコンテストやネットワーキングイベントに参加したことや、実際に企画に携わったことのある方もいらっしゃると思います。ただし、こうした取組は日本ではまだ盛んではなく、興味はあるものの、どのような取組が効果的なのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、アメリカ・ボストンで6月に開催された、スタートアップ支援のためのイベントを紹介します!
ボストンは世界有数のスタートアップ・エコシステムを構築しているため、ボストンにおける取組を知ることで、日本でのエコシステム構築に向けたヒントを得られるのではないでしょうか。ボストンのイベント情報は継続的にアップデートする予定ですので、各イベントの内容のみならず、そのトレンドも参考にしていただければと思います。
テクノロジーのアップデートとダイバーシティ推進の取組!
今月は、EmTech(Emerging Technology/最先端技術)やデジタルマーケティング、量子技術について、トップレベルの専門家を招いて最新の動向をアップデートする機会が設けられました。今後のビジネスに大きな変革をもたらす可能性のあるテクノロジーに焦点を当てて学びの機会を設けることは、企業にとって、新たなビジネスアイディアのヒントとなると同時に、重要なネットワーキングの場にもなります。
さらに、アフリカ系アメリカ人向けのキャリアフェアや、LGBTQの起業家向けのイベントが開催されるなど、ビジネスの多様性を推進するための取組も進められていることが分かります。
以下ではそれぞれのイベントについて詳しく紹介していきます。
EmTech Next 2022(エマテク・ネクスト2022)
アメリカ・ボストンにあるマサチューセッツ工科大学(MIT)にて開催されたこのイベントは、次世代のEmTech(Emerging Technology/最先端技術)を学ぶ機会を提供します。Meta社(旧Facebook社)のCIO(最高情報責任者)であるBanerjea氏などの専門家による講演や、オープンなディスカッションに参加することで、ビジネスを推進するテクノロジーの動向と、それが市場、戦略、労働力に与える影響を探ることができます。
引用:EmTech NextのHP
DigiMarCon New England 2022(デジタル・マーケティング・カンファレンス・ニューイングランド2022)
このイベントでは、トップレベルの基調講演やケーススタディを通じて、デジタルマーケティングに関するベストプラクティスや最新のトレンド、実践的なソリューションを学ぶことができます。アドテク(広告×テクノロジー)やマーテク(マーケティング×テクノロジー)など次世代のテクノロジーやイノベーションに関する展示や、ネットワーキングの機会など、急速に進化するデジタルの世界でマーケターとして成功するためのヒントに溢れた内容となっています。
User Experience Design Immersive(ユーザー・エクスペリエンス・デザイン・イマーシブ)
General Assembly社によって提供されているこのコースでは、ユーザー・エクスペリエンス(UX)を向上させるためにコアとなるスキルを学びます。このトレーニングでは、UXをデザインする全てのプロセス(リサーチ・アイディア出しからプロトタイピング・テストまで)について、実証済みのスキルとメソッドを用いることで、UXデザインの能力の向上を目指します。
Quantum.Tech conference(量子技術カンファレンス)
このイベントには、量子技術の商業化の推進を目的に、産業界、研究機関、政府機関、投資家が世界各国から集まりました。これは量子技術に関する世界最大のカンファレンスであり、量子技術を用いたビジネスの推進を目指すためのエコシステムとなっています。2日間のイベントを通じて、参加者は量子技術を用いに関するビジネスチャンスや企業の取組を学ぶとともに、量子技術に関わっているグローバルリーダーとのネットワーキングの機会を得ます。
Blacks In Technology × Techqueria Career Fair(NPO団体ブラックス・イン・テクノロジーとテッククエリア社によるキャリアフェア)
このイベントは、アフリカ系アメリカ人の割合が低いテクノロジー業界に変革をもたらそうと尽力しているNPO団体Blacks In Technologyが、Techqueria社が共同で開催するキャリアフェアです。技術分野で初めての仕事を探している人も、技術分野のベテランで選択肢を模索している人も、このイベントで、チームの多様性を高めるために努力している組織と直接コンタクトを取ることができました。
Future of Work(仕事の未来)
このイベントは、人事、デジタルワークプレイス、社内コミュニケーション、従業員体験(EX)などを担当する経営幹部が集まり、最新のトレンドや企業戦略についてプレゼンテーションやパネルディスカッションを行います。例えば、米国雇用機会均等委員会のキース・ソンダーリング委員は、「AIはダイバーシティ、インクルージョン、アクセシビリティを推進できるのか?」というテーマで講演を行いました。
Embracing LGBTQ Founders(LGBTQの創業者を受け入れる)
起業を成功させることは大変であり、LGBTQの起業家はさらに多くの障壁に直面する可能性があります。そのため、このイベントでは、様々な業界からLGBTQの創業者を招き、彼らがどのように自分たちのアイデンティティを受け入れ、起業家のエコシステムの中で成功したのかについてのストーリーや、社会から疎外された創業者がどのように課題を克服し、ビジネスを前進させることができるかについてのアドバイスが行われました。
今回はボストンにおける6月のイベントをご紹介しました。如何だったでしょうか?本サイトではボストンで話題のニュースをご紹介しています。ご質問やご意見あれば、是非お問い合わせフォームをご活用ください!!記事が良かったらシェアをお願いします!
引用:
BOSTINNO 「Here are the June events you need to know about」
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Boston SEEDs は B-SEEDs LLC (Delaware, US) 運営のオンラインメディアです。”Entrepreneurship Mindset”のカルチャーを世の中に更に浸透させるべく主にボストン在住の現役の MBA 生がボランティアで活動運営しています。 Note