３月にアメリカで開催されたSXSW（サウスバイサウスウエスト）でも注目を集めるなど、その存在感を増しているNFT（非代替性トークン）。一方で、NFTを用いることでどのようなビジネスが生まれるかイメージが沸きにくい方もいらっしゃると思います。そこで今回は、イノベーションの中心地ボストンにおけるNFTの最新トレンドに関するニュースをご紹介したいと思います！
ボストンで初のNFT展示会がオープン
ボストンにあるぺラス・ギャラリーでは、現在、世界中のデジタルアーティストの作品を紹介するNFT展「New Horizons」が開催されています。ボストンのギャラリーでNFT作品が展示されたことはこれまでもありますが、NFTに特化した展示会が開催されるのは今回が初めてです。
ペラスギャラリーでは、参加者は10台の大型デジタルスクリーンの周りに集まって、NFT作品を鑑賞します。展示品のほとんどは20秒のアニメーションですが、静止画もあります。映像に合わせて音が流れる作品を鑑賞するときには、来場者はヘッドフォンを装着します。
例えばあるNFT作品では、青くきらめく小川で１台のロボットが別のロボットに釣りを教えています。ヘッドフォンを装着すると、水の流れる音や釣り糸が飛び出す音、ロボットの声などを聞くことができます。
また、別の作品では、雲が渦巻く暗い空間で、光り輝く球体が回転しています。深く鳴り響くサウンドトラックを聞きながら鑑賞するこの作品は、道教における陰と陽を参考に、その象徴である相補性を体現しています。すなわち、「静止しているが動いている」、「暗いが明るい」といった二面性のある世界観を表現しています。
NFT作品は、オンラインまたはギャラリーで閲覧・購入することができ、1作品につき3,500ドルから17,500ドルの値が付いています。
ＮＦＴ関連ビジネスの拡大①：デジタルアート制作アプリ
ボストンに拠点を構えるスタートアップ「Haptagram」は、スマートフォンに内蔵されている振動を生み出すモーターを利用し、新たな形態の作品を生み出すアプリを提供しています。Haptagramのアプリをダウンロードすると、人や物の写真に音や様々なパターンの振動を加えることで、実際に体験しているように錯覚させることができます。
写真に音と振動を加えることで、例えば、夜空に打ち上げられた花火の写真では、花火の弾ける音が聞こえてくるような感覚になります。バイクの写真では、エンジンが始動しているような錯覚に陥ります。
本アプリを用いて作られた作品の一部は、ＮＦＴマーケットに出品されています。ＮＦＴマーケットの拡大は、こうしたデジタルアートの制作を支援するサービス・ツールの需要の増加につながる可能性があります。
ＮＦＴ関連ビジネスの拡大②：ＮＦＴ作品のバックアップサービス
昨年10月に設立されたボストンのスタートアップ企業「Club NFT」は、380万ドルの資金を調達し、NFT作品の保護に関する事業を開始しました。
各NFT作品は、ブロックチェーン上のトークンにリンクされていますが、トークンには、NFT作品を私たちが見ているような形にするデータは格納されていません。その代わりに、NFT作品を販売したマーケットプレイスは、その情報をウェブベースのファイル共有システムに有料で保存します。もしNFTのマーケットプレイスが閉鎖され、手数料が支払われないと、ファイルは消滅し、価値のないトークンだけが残されてしまいます。
こうした状況を防ぐため、Club NFTは、NFT作品の所有者が購入したファイルを、ウェブ上にのみ存在させるのではなく、バックアップできるツールを提供しています。このように、NFTに関連したビジネスは、NFT作品の制作・販売のみならず、その保護にも広がっています。
今回はボストンにおけるNFT関連ビジネスの最新トレンドをご紹介しました。如何だったでしょうか？本サイトではボストンで話題のニュースをご紹介しています。ご質問やご意見あれば、是非お問い合わせフォームをご活用ください！！記事が良かったらシェアをお願いします！
